#9「スタッドレスタイヤ」
人生2度目のセンター試験。前回同様とくに対策はしなかったが、8割を超える。自信を持って一般入試に臨めた。
今回も日程の早い大学を、安心材料として受ける。1つ、2つ、3つ、、、しっかりと地に足つけて、合格していく。滑る気配を感じなかった。滑りに滑っていた1年前とは違っていた。絶対に滑らない、確かな自信を持って、挑んだ。
試験を受け終わった直後に確信出来るほどであった。私は本命の中央大学理工学部に合格することが出来た。
「よしっ!」
1年間、いや2年間に及ぶ戦いに勝利した私は歓喜に満ち溢れていた。これでやっと箱根駅伝を目指すことができる、自分の夢への第一歩が達成できた!と。
2年間の苦労を解き放つように喜んでいた。
大学入学はスタート地点ですらない現実を叩きつけられることを、この時はまだ知らない。
浪人受験篇 完