偏差値38の長距離未経験者が中央大学主将として箱根駅伝を走る物語

エリートのみが集まる世界に、凡人が飛び込む

2019-03-31から1日間の記事一覧

#エピローグ「襷」

最後まで読んでくださった読者のみなさんありがとうございました。 自分の経験を伝えることができてよかったです。 最初の方にも書いてありますが、僕は箱根駅伝に出ている選手に憧れて箱根駅伝を目指し始めました。箱根駅伝を目指す過程は苦しいことの方が…

#30「箱根駅伝」終

少し寒さを感じながら目が覚める。まだ外は薄暗い。着替えを済ませてホテルから出る。 この街にはまるで自分しかいないような静けさ。朝日も上っておらず、街灯だけを頼りに走る。聞こえるのは自分の呼吸だけ、この4年間を思い返しながら走っていた。 全く走…

#29「それでも這い上がる」

肝臓を壊してしまい、1ヶ月間走るどころか運動も禁止された。 その間いろいろと考えた。このまま部に残って陸上を続けてもいいのかと思った。主将でありながらチームに迷惑をかけ、みんなの目標を台無しにしている。そんな私が心を切り替えたと言ってのうの…

#28「奈落」

6月30日、全日本大学駅伝への出場をかけた、予選会が行われた。 気温33度、非常に蒸し熱い気候であった。立っているだけでも汗をかく。 私は1組目の選手として走る。1組目はチームの流れを作る役割である。今期の成績、勢いで役割を与えられ、それにこたえる…