偏差値38の長距離未経験者が中央大学主将として箱根駅伝を走る物語

エリートのみが集まる世界に、凡人が飛び込む

#19「人型プリウス」

箱根駅伝から月日が経つ。練習の質も高まってきた。

そして迎える2年目の夏合宿。中山とともに、トップチームとして選抜合宿に選ばれた。箱根駅伝出場へグッと近づくことができた。しかし、ここでの争いに勝たなければ箱根駅伝に出場できない。静かなる闘志を燃やす。

トップチームの練習はそう甘くない。初めての30km走で地獄を味わう。

アップダウンの激しい芝生で走る。長い芝生に足を取られ、踏み込むことができない。体力を余計に奪われる。最後の5kmは全神経を走りに特化させる自動運転モードに切り替えることでこなすことができた。その日1日の走行距離は65kmを超えていた。

夏に900kmを超える練習量を積む事で自信をつけた。

 

しかし、秋に控えた箱根駅伝予選会のメンバーに選ばれることはなかった。対照的にここで力をつけてきた中山は予選会のメンバーに選ばれる。

 

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