偏差値38の長距離未経験者が中央大学主将として箱根駅伝を走る物語

エリートのみが集まる世界に、凡人が飛び込む

#3「夏休まない」

 

時間がないとはいえ、高校には通わないといけない。周りを見渡すと授業とは関係ない科目を勉強している人や、もはや授業に来ないで自分の勉強をしている人が多くいた。

そういうことは自分の信念に反するため、ちゃんと授業は聞いていた。今まで散々授業中に寝ていた自分は存在していなかったことにする。

実際、理系科目しか勉強していなかったこともあり、国語や地歴は息抜き感覚で楽しく授業を受けていた。

高校の前期課程が終わるといよいよ夏休みに入る。7月下旬から9月2日まで、約1ヶ月半。成績が伸びていた私は高揚していた。

「いったいどれだけ勉強出来るんだ」

毎日8時から22時まで自習室にこもる日々。

「最近、夜は肌寒いな」

 

気づけば9月を迎えていた。

 

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