#13「浦島太郎」
中山ともう1人、準部員から一緒にやる仲間を含めて3人で共に部員昇格を目指す。
その日もジョギング練習であったが、来たばかりで土地勘もないので、先輩についていくことにした。それまで自分のペースで練習していたので、少し緊張していた。
軽快に走る先輩についていく。1km5分ペース、陸上部員からしたらなんてことのないペース。もちろん、私も高校時代はそのペースで練習していた。しかし、12kgの重りと2年間のブランクは私の体を老朽化させていた。
大学に受かり、準部員という形でも練習には参加させてもらえる、箱根駅伝を目指せる。有頂天であった私。
こんなすぐに人の体力は衰えるものなのか、私は玉手箱でも開けたのか。とにかく思い通りに体が動かない。
”ヤバい、倒れる“
息は上がり、肺がワイヤーで締め付けられるような痛みに襲われる。ついていくことができない。
走り始めて3kmで限界を迎え、リタイア。1人歩いて帰宅した。
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