偏差値38の長距離未経験者が中央大学主将として箱根駅伝を走る物語

エリートのみが集まる世界に、凡人が飛び込む

#21「革命遺伝子」

次の箱根駅伝に出場するため、新チームがスタートする。

同じ準部員としてスタートし、しのぎを削ってきた中山が頭角をあらわし始める。

5000mで14分40秒を切り入寮基準を突破する、準部員としてチームのビリを争っていた存在が階段を駆け上がる。

“負けてたまるか”

中山に続くように、私も5000mを14分38秒で走り、入寮基準を突破した。

しかし、中山の勢いは止まらない。勢いそのままに10000mで29分10秒台を出す。

一気にチームの主力へと駆け上がる。

どっちが先に14分台を出すか、入寮するか、主力になるか、そうやって競い合っていた存在が、私のことなど見る必要もないかのように駆け抜けていく

その姿を遠くに感じた。

 

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