偏差値38の長距離未経験者が中央大学主将として箱根駅伝を走る物語

エリートのみが集まる世界に、凡人が飛び込む

#5「トリプルアクセル」

センター試験は併願したものの、対策する余裕もなかったので、7割程度しか取れず当然受かることはなかった。

一般入試が始まる2月からが勝負となる。

受けたい大学は絞っていたが、安心材料になるからと、確実に受かりそうな大学も受験していた。いわゆる滑り止めというものである。

箱根駅伝に出ていないような大学も受験していたが、合格してもどうせ行かないしなと思いながら試験を受けていた。

そんな私を悪魔はスケートリンクに招く。

滑り止めとして受験した大学にことごとく落ちる、滑り止めどころか滑りに滑っていた。

私はまさに氷上のダンサー。

その滑りの勢い衰えず、大技が決まる。

トリプルアクセル”!!

 

私は第1志望を含める全ての大学を完璧に滑った。

 

                                                      現役受験篇 完

 

 

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