#22「はこねえきでん」
年が明け箱根駅伝が訪れる。
予選会で負けた私たちはチームとして箱根駅伝に出れない。選抜チームに選ばれたチームメイトを応援することしかできない。走路員として大会の補助員になり、沿道に立ち、他大学が走ってくる姿を見つめる。
テレビで見る箱根駅伝は、憧れの的であり、いつか自分も走るんだという希望をくれた。
1年前に初めて体感した、チームの一員として箱根駅伝に挑むことは、たとえ走っていなくてもチームとして挑む楽しさを教えてくれた。
しかし、走路員としての箱根駅伝に価値を見出すことはできなかった。チームとして出ていない、憧れを抱いて応援するわけでもない。今私は何をしているのだろうか。
今までで1番、箱根駅伝を遠くに感じた。
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